鵞口瘡とはカンジタ菌によって、赤ちゃんの口内や股が白くなる症状。
新生児は産道でもらう事も多いので、妊婦後期はカンジダに注意。
赤ちゃんが抗生物質を服用すると副作用で口内に現れる事もあります。
鵞口瘡の症状
鵞口瘡は、赤ちゃんの口内や股に、こすっても取れない白いカスのようなものが付着します。頬の内側や舌、歯茎に至るまで白いカスが広がりますが、赤ちゃんは特に痛みもなく無症状。乳児が感染する鵞口瘡は、この急性偽膜性鵞口瘡がほとんどです。
授乳後やゲップ後は口内や舌にミルクかすが残り、鵞口瘡と間違える場合も。
ミルクかすはとれますが、鵞口瘡の白いかすは擦っても取れない特徴が。
白いかすはヨーグルトや酒粕、おからのようなポロポロした特徴が。
無理にカスをはがし取ろうとすると、口内出血する可能性が高く痛みも伴います。
はがした部分は膿のように炎症を起こし、2次感染を引き起こします。
また、授乳の際にミルクや母乳を飲む量が減ることもあります。
鵞口瘡の原因
鵞口瘡の原因はカンジダ菌の増殖付着によるものです。
もともとカンジダ菌は真菌と言って、体内に点在しています。
新生児の鵞口瘡の原因は先ず、出産時の産道で感染する場合が挙げられます。
妊娠中はホルモンバランスも普段と違い、疲れやストレスのも敏感です。
通常の膣にも10%は存在するカンジダが増殖しやすい傾向にあります。
抵抗力の弱い乳児や高齢者、HIV感染者、糖尿病患者はかかりやすい傾向に。
産道感染、授乳感染の疑いが多く、時にはおしゃぶりや玩具からも感染報告があります。
鵞口瘡の産道感染
妊娠後期に次の症状が出た時は、産道感染を防ぐべく膣カンジダ症を治療をします。
・おりものが白っぽくて、チーズかすや酒粕のようなポロポロした状態。
・疲労が溜まっておりものに変化があった。
・外陰部が赤っぽく、痛痒い。
出産時に感染してしまう為、妊娠後期に発見されたら早急な治療が望ましいです。
その為、産院では後期にカンジダの検査を行っています。
鵞口瘡の授乳感染
母親の乳首にカンジダ菌が増殖した場合、授乳を介して赤ちゃんに感染します。
毎日何度も口にするので、お手入れも大変ですが清潔を心がけると安心。
同じように哺乳瓶の乳首や、哺乳瓶内、洗浄ブラシに菌が増殖する事もあります。
特に粉ミルクを使用する際は、毎回よく殺菌しきれていないと菌が蔓延します。
鵞口瘡の治療
鵞口瘡の治療は乳児の場合、経過観察で自然治癒を勧める事があります。
特に命に関わる急は要しませんが、症状を疑ったら受診をすると安心。
殆んどが3日~1週間の治療、または経過観察で回復します。
治療は口内洗浄で、改めて口内を清潔にして回復を待ちます。
授乳に困難をきたす場合は抗真菌剤の1%ピオクタニンブルー液等を口内塗布。
液体に綿棒を浸し、鵞口瘡の塗りやすい部分に塗布して唾液で広がるのを待ちます。
その為、塗布後すぐの授乳や何かをくわえる事は薬剤の効果を半減させるので注意。
またピオクタニンブルー液は塗布しすぎるとピオクタニン潰瘍を発症します。
付け過ぎても早く治るわけではないので、口内に唾液等で広がるように使用します。
医師の判断で薬剤が不要になる場合は、口内の清潔を心がけて経過観察します。
鵞口瘡の予防
・赤ちゃんが口にするものは、頻繁に清潔を確認しましょう。
・授乳の際は乳首の清潔を心がけ、付着した母乳をそのままにしない。
・哺乳瓶や愛用のスプーン等、熱湯消毒できるものは消毒しておく。
・おしゃぶり癖がある乳児は、お気に入りのものを良く洗ってあげましょう。
・赤ちゃんは体が柔らかく手足を舐めるので、こまめに洗浄や拭き取りをしましょう。